ワイドナショー画像 ITジャーナリスト井上トシユキがネットの現状と実名報道を解説
川崎中1殺害事件を期に、再び「ネット私刑」が取り沙汰されています。少年法で守られた加害者の個人情報をネットで私的に暴き制裁を加えることについて、様々な視点から議論が進みました。

司会の東野幸治さん、レギュラーの松本人志さん、ゲストのみうらじゅんさん、小倉智昭さん、渡辺真理さんに加え、犬塚浩弁護士、ITジャーナリストの井上トシユキさんも専門家の立場から話に加わります。

みうらじゅんさんの一見ふざけてるような笑いを生む一言が、その後の議論のキーワードになって行くのが印象的でした。


[スポンサーリンク]



問題の概要

(番組ナレーションより)
川崎市で中学1年生が殺害された事件を期に、ある言葉が注目を集めています。
「ネット私刑」とは、加害者の真偽不明なものを含む情報を拡散したり、誹謗・中傷を繰り返すなど、ネットで制裁を下そうとする行為のこと。

ワイドナショー画像 谷垣幹事長が実名報道の週刊新潮を批判

今回の少年犯罪をめぐっては…
(谷垣幹事長のコメント)
「少年はまだ人格が固まっていない。
そういう意味では、よく言えば融通性もあってですね、うまく指導すれば立ち直りうる。
ああいう報道は、私はいかがなものかと思っております。」

今週、自民党の谷垣幹事長が、逮捕された少年の、実名と顔写真を掲載した週刊誌を批判しました。
少年法は、少年の更生を考慮し、加害者の特定ができる報道を禁じています。

しかし事件直後から、ツイッターには、「見つけたらとっ捕まえてください。拡散して欲しいです」
「顔、実名、住んでいる場所、家族構成、全部さらして拡散しちゃおうぜ」
中には、逮捕された少年Aの自宅前から、リポート付きのネット中継を行った人もいます。

ネットの普及によって、誰もが情報発信者となった時代。
法的な規制や自主ルール作りが急務となっています。



小倉智昭さん「ネット制裁などもってのほか」

東野:

捜査に協力しているという正義感なのか、野次馬根性なのか、ね。
記者…のつもりなのか、ありますけど。
小倉さんはまずはこのニュース、どのように思われますか?


ワイドナショー画像 小倉智昭がネット私刑を批判し少年法の意義を語る

小倉:

いや僕は、何のための少年法だと思いますからね?
で、ネットでそういう制裁をしてやろうっていう考えがわからない
そんなことができるんだったら、警察も裁判も必要ないじゃないですか。
だから、なんで少年法が世界中にあるのかっていうのは、その、少年の保護と、えー…再教育とかも含めて、だからこそ名前も、住所も、すべて隠すわけでしょ?

東野:

はい。

小倉:

だからそれがいらないんだったら…もう、何にも意味がない、少年法。

東野:

えー、週刊新潮という雑誌も…実名報道されました。

小倉:

週刊新潮は、この前も同じ実名報道で、裁判に勝ってるという自信と、これは、報道しても罰則規定がないわけでしょ?
だから…やるんじゃないですか?


(ここで少年法61条の紹介)
家裁の審判に付された少年又は少年のとき犯した罪により公訴を提起された者については、氏名、年齢、職業、住所、容ぼう等によりその者が当該事件の本人であることを推知することができるような記事又は写真を新聞紙その他の出版物に掲載してはならない



渡辺真理さん「時代に合わせた法整備を」

東野:

さ、真理さんもいかがですか?


ワイドナショー画像 渡辺真理の意見に耳を傾ける松本人志・小倉智昭・みうらじゅん

渡辺:

少年法が…例えば法律っていうのはやっぱり、
守らないといけないものなんだけれども。
たぶん社会が変化してゆくと、法律も
だんだん合わなくなってくる面はあるんだと思うんですよね。
で、ネットって個人が使えるツールだから、
もうやっぱり、どんなに規制されても、
個人のその…倫理観だったり、良心だったりっていうのは、
どれぐらい…個人が使うかてすごく規制が難しいところがあるから、
そうすると、法も見直していかなといけないよねっていう
必要性を、すごく感じてるんですね。

東野:

少年法の方も、ちょっと…

渡辺:

少年法も含めて。




松本人志さん「被害者保護が先」

東野:

松本さん、いかがですか?
まず少年法なんですけれども。


ワイドナショー画像 松本人志 メディアは被害者のプライバシーを守るべき

松本:

まず…あー、僕その週刊誌に写真載せんのはね、
あんまり好きじゃないんですよ。
あの…だって商売でやってるから。
で、こいう人たち(=ネットの個人)の方がまだ、
商売…お金なしでやってる分、まだ健全かなと僕は思うんですけど。
いいか悪いかは置いといてね。
あの…だから…そっちの週刊誌はすごく嫌いなんですけど、
これをどうして行くかよね?

東野:

はい。

松本:

これはねぇ…でも、まずいっこ言えることは、
僕は被害者の、まず写真を隠せよっていうのが…ありますねぇ。

小倉:

ま、そりゃそうだ。

松本:

被害者の写真、あんだけ堂々とバンバン出しといて、
で、加害者でこんな出すか出せへんかで揉めてること自体が、
やっぱ被害者をまず守ってやってほしいなぁ。
で、被害者の顔出した時点でもう、たぶん近所ではもう、
バレバレなんですよね?

東野:

はい。そうです。

松本:

うーん…そっちのケアがまず行われてないなぁ…。

東野:

被害者のケアがあって然るべきだと。




実名報道の実情

東野:

さ、犬塚弁護士。えー少年法の問題、
よくね、この番組でもするんですけれども。

犬塚:

はい。少年法の61条ですけれども、
先ほど出ましたものでございますけれども。
条文上は「家庭裁判所の審判に付された」ですから、
まだ付されてませんから、今の時点には
適用の対象にはなっていない状態なわけなんですね。
ただまぁ、今までの報道機関は、まぁ自主ルールということで、
報道してこなかったところもあったんですけれども。

先ほど小倉さんおっしゃった通り、新潮社は
98年の堺市の通り魔事件で、大阪高裁で勝訴いたしましたので、
ま、重大事件に関しては、
もう実名報道するという姿勢をとっているわけなんです。
ま、それがちょっと少年法の理念に反するんじゃないかっていうのは、
今の政治家の方の意見もありました。

で、一方でやっぱり、
個人がまぁここまで出していいかっていう問題については、
ネット上の…今度は規制がありませんので、
今は非常にこう…ま、ある意味では
野放しになっていることも確かなんですね。


[スポンサーリンク]


ネットの取り締まりは難しい

東野:

さ、井上さん。
えー、ネット上の規制が現在ないんですけれども。
これはこれから取り締まっていくべき…なんでしょうかね。

井上:

えーっと…取り締まるというのは、
なかなか難しいところがあると思います。
えー大津のいじめの時も同じようなことがありましたし。
いろいろな重大事件が起きると、
必ずそういったことがネットであがってきて拡散されます。


ワイドナショー画像 ITジャーナリスト井上トシユキ 山崎夕貴アナ 東野幸治

小倉:

これね?もしもネット上に、
容疑者以外の子どもの写真が間違って出てしまったり、
嫌な書き込みをされて、子どもがそれを見て
もしものことがあったら、誰が責任取るんですかね。
そういうことだって十分考えられるじゃないですか。

東野:

なおかつ、書く人ももちろん悪いけど、
書く人をまた軽い気持ちでまた貼り付けてまた拡散…

小倉:

書く人は匿名ですからね?

井上:

いや、実際小倉さんおっしゃったようなことはありました。
大津の事件の時は、全く違った方が晒し者になってしまったと。

松本:

もう…どうしましょうか…

犬塚:

ま、管理者の側もすべてのこう…内容というものをチェックするというのは非常に難しいですし、
じゃ青少年の内容については、あの…カットするということは、現実問題からすると難しいと考えてよろしいんですよね?

井上:

だと思います。
あの…結局、即座に停止できないでしょうね。
投稿されてしまって、気がついて、削除するまでに、やっぱり1時間、2時間、半日かかる間にものすごい…

松本:

もうそしたらじゅうぶん広がりますよね。

井上:

はい。




みうらじゅんさんが的確な一言

東野:

さ、みうらさんはいかがですか?
このネット私刑のニュースなんですけれども。
あまりネットはされないとお聞きしましたけれども。

みうら:

まったくしないんで。
法律より、仏教が流行ればいいと思うんですよ
仏教…ですよね。


ワイドナショー画像 みうらじゅん ネット社会成熟のカギは仏教

松本:

ハハハハ笑

東野:

仏教の教え…何千年の歴史があるから。

松本:

いや…そう。歴史で言うとホントにそうで。
これ…ネットってやっぱ、あと100年ぐらいたたないとなんか、ちゃんと決まっていかないんやろうなぁと。

東野:

ルールとか…

松本:

我々はちょうど一番どえらいことろに巻き込まれてしまってて。
なんか…ね?フグがまだ食べ慣れてないみたいな感じで、毒がどこにあるかもよくわからん時に食わされてる感があって。
もうちょっと時間…だいぶかかりますよね。

井上:

だと思いますよね。
まさに僕も同じような感覚をもってまして、はい。

松本:

えぇっ!?

東野:

ハハハ笑

松本:

そんな同じような考えの人っているんですね。

東野:

いや、専門家やからありますよ笑




リベンジポルノの問題

東野:

リベンジポルノの問題もそうなんですよね?


リベンジポルノ防止法(昨年成立)元交際相手の裸などの写真をツイッター上に公開することは禁止

松本:

みんなそうなんですよね。

東野:

結局、お付き合いして、好き同士の時は写真撮ったりとかして、そう…ね?その…チュッチュしてる写真も撮ってとか二人で盛り上がるけど。
ね?別れて、また一方が別れたくないってそれが憎しみに変わると、それをまた撒き散らすみたいな…

井上:

なんか、使い方の問題やと思うんです。
その意味では、みうらさんが仰った「仏教の」っていうようなところは、あの…僕は、ホントに…

みうら:

やらしい写真撮撮る奴は結婚すればいいんですよ。最後。

井上:

そうなんですよ。

みうら:

で、そういう法律作ればいいじゃないですか。
もうやらしいの撮った段階でもう結婚決定っていうのにすれば…

松本:

離婚もダメだと。

みうら:

投稿写真とかの雑誌も喜ぶし、俺…読むから俺。

東野:

みうらさんはね笑

みうら:

ええ、僕は喜びますよ。ええ。




ネット冤罪は防げるか

東野:

やっぱり…これをすればどうなるかという、想像力…みんな欠如してるし…

渡辺:

でも、松本さんがおっしゃるように、ほんとたかだか20年ぐらいですか?ネットって。

井上:

そうですね、はい。

渡辺:

そうすると、あとほんとに時間がかかると思うんですけど、今こうやって…小倉さんおっしゃるように、全然違う写真が出ちゃう場合あるわけですよね。
で、それが子どもの場合もあるわけですよね。
で、そうしたらそこにはなんかこう…法を整備するというような動きだったり、なんとか禁止する手だってって…ネット冤罪を防ぐみたいのは…ないんですかね。

井上:

ネット冤罪ですか…

東野:

だから結局、お笑い芸人のスマイリーキクチ君もそれでネット冤罪になって…

松本:

あーそうかぁ…


スマイリーキクチ 中傷被害事件キクチ氏が殺人事件の実行犯であるなどとネットで中傷した6人が書類送検された

渡辺:

今って本人が突き詰めてるじゃないですか。

東野:

本人自身が自分で声出して、
「自分はやってません。間違ってる」って言って、勝ち取らなければいけない…

渡辺:

それ子どもはできないしそうすると…どうするんだろうって。
そこは…なんか、処置できないんですか?


ワイドナショー画像 渡辺真理 子どもはネット冤罪に対して無力

井上:

そうですね。ま、ちょっと法律はあの…(犬塚)先生にお任せするとして。
とりあえずネットというのは、いつどこで誰が何を投稿してくるか、何をこう…表現するかっていうのがわからないので、事前になかなかそれをオミット(削除)するのが難しいんです。

で、その割には拡散のスピードであるとか、拡散した時の影響力が大きいので、そこは非常に今…どうしようかなっていうのは、いろんな方が考えてる最中ではあるんですけれども。
なかなか…難しいところが多いですよね。

小倉:

まぁさっきの、だから…仏教をって皆さんおっしゃったけど。
仏教もそうだし、道徳とか倫理とか、それでいくと、殺人だってそうだもんね?
その教えから説いていったら、そういうことする人はいなくなるんだよ。

松本:

そうですよねぇ。

東野:

そうですよね。だからホントね、そうですし、松本さんがおっしゃるように、ホントに、始まり…ネットの始まり10年、20年ですから。
あと80年ぐらいして…

松本:

もっと何かルールがね…

東野:

人間もちょっと高みに行って…

松本:

もしかしたら、「やっぱいらんな」ってことになるかもわからないし。

みうら:

電気屋で売る時に「これ、ウソ流れてますよ」っていうのも…おっちゃんが言えばどうなんですか?
「これ、ウソも…来ますよ」って。

松本:

ハハハハ笑

みうら:

解説書に書いとけば…

東野:

みうらさん。まったく意味がわかりません笑

みうら:

いやほら…誤報もあるよって。
うん、信じるから。テレビ(=画面)に出てるものは。




マスメディアの役割

東野:

そう、だから…我々はね、そんなんまったくない時代とある時代経験してるから。
今の若い人はもう(ネットが)ある時代しか経験してないんで。
そこのやっぱ価値観っていうか、ものの考え方も全然違いますし…

井上:

ちょっとズレてはいるんですけれども、ただひとつ言えるのは、あの…ネットって割と現実のメディアの影響を受けやすいんですね。
やっぱりその、何かの情報の起点っていうのは現実のメディアからですので。新聞、雑誌、テレビ、ラジオなので。
逆に言えば、新聞、雑誌、テレビ、ラジオが「やっぱりこういうこと良くないよね」って言っていくということで、逆にネットの方でも「まぁ確かにね」っていうようなことはある。

で、大津の時も実はその、まぁ…間違った人の…方のが出てしまったってなってからは、ちょっとあれが冷水をかぶした感じになって。
さすがにその…画像を拡散するとかっていうのも、せめて目線とか入れようとか、あるいは名前というのは伏せ字にしようよっていうふうなのが、ネットの中でも一応…

松本:

ちょっとなりましたよね。

井上:

添付は、なりました。

松本:

20年ぐらい前よりはマシになった気がするんですけどねぇ。


[スポンサーリンク]