ワイドナショー画像 乙武洋匡 フランス連続テロ事件の風刺画に物申す 2015_01_18
フランス連続テロ事件に対する風刺画、ゲスト陣は一様に「やりすぎ」という意見。特に、東京オリンピックの風刺画を例にして意見を展開した乙武洋匡さんが非常にわかりやすくて印象的でしたね。

いつもの東野幸治さん、松本人志さんとゲストの古市憲寿さん、乙武洋匡さん、山口恵以子さんが参加。さらに、表現の自由の解釈に関し、法的立場から解説に犬塚浩弁護士も加わってくれました。


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問題の概要

(番組ナレーション)
フランス・パリで17人が命を落とした一連のテロ事件。中でも多くの犠牲者を出したのが、イスラム教を非難する風刺画を発行した新聞社のシャルリー・エブド。
襲撃した容疑者は「預言者の復讐を果たしたぞ」と叫んでいました。

事件から1週間後、新聞社は最新号を発行。パリの売店では完売が相次ぎ増刷が決定。
この一面には、イスラム教の預言者ムハンマドが涙を流す風刺画が掲載されています。

ワイドナショー画像 フランス連続テロ事件の標的シャルリー・エブドがムハンマドの風刺画を載せて物議 2015_01_18

パリ市民からは「テロへの不屈の姿勢を示すために必要」
との支持があがる一方、イスラム教徒らは「挑発」「侮辱」と批判の声が。
アメリカや日本のメディアも、この風刺画を取り上げるべきかの見解が割れていて、信教の自由と表現の自由をめぐる議論が世界中で高まっています。



山口恵以子さんの見解

東野:

さ、こちらのニュースでございますけれども。
表現の自由がどこまで許されるのかとか、またフランスの考えとか、日本の考えも違うと思うんですけれども。
ちょっと順番に山口先生からご意見うかがいたいんですけども。

山口:

はい。私はこの週刊誌の趣旨には反対ですけれど。風刺画というよりは侮辱画かなとイスラム教を信じてる人にとっては。


イスラム教もともと偶像崇拝が禁止されていて、ムハンマドの肖像を描くことはタブー。

山口:

ただ、新聞の報道機関は、この週刊誌がこういう新しい雑誌でこういうイラストを載せましたよっていうことは報道すべきではないかと思うんですよ。


ワイドナショー画像 山口恵以子 フランス連続テロ事件の風刺画は侮辱だが報道はすべき 2015_01_18

山口:

つまり、現物を見ないことには、これが風刺なのか、それともイスラム教の人にとっては侮辱と受け取られるものであるのか、わかんないわけですよ。

だからやっぱり報道機関であれば、「こういうふうなことがありましたよ」って報道すべきだと思うんですね。
で、報道したからといって、この週刊誌の主旨に賛成してることにはなりませんから。

松本:

うーん。そっか…




乙武洋匡さんの見解

東野:

乙武さんはいかがですか。

乙武:

まず「風刺」っていうものをどう定義するかってことにもよってくるのかなーと思うんですね。


風刺の定義広辞苑によれば「社会又は個人の過失・欠陥などを遠回しに批判すること」

乙武:

私の考える風刺というのは、やはり権威だったり権力という、こう…上にあるものに対してチクリとやるというところが風刺の面白さかなーと思うんですよ。


ワイドナショー画像 乙武洋匡 風刺とは上に対して行うべきでフランス国内のマイノリティであるムスリムに対しては侮辱 2015_01_18

乙武:

そう考えると、フランス国内におけるムスリム(=イスラム教徒)のパーセンテージって7%台なんですね。
これヨーロッパでは最大圏とは言われてるものの、国内で見れば7%はつまりマイノリティーなわけですよ。
その少数派の人々に対するああいう表現というのは、僕は風刺ではなくやはり侮辱であったり挑発というものに近いのかなーというふうには考えますね。




古市さん「ババア」は悪口?

東野:

さ、古市さんは。

古市:

なんかもっといいバランスの風刺のレベルがあったんじゃないかなと思うんですよ。
ここまで侮辱じゃなくて、もうちょっとピリリと面白いような。
でもやっぱり、風刺と表現の自由ってすごい難しくって、これって日本でも起こる問題だと思うんですね。
さすがにテロまではないですけど、どこまでがユーモアってすごい難しいじゃないですか。
山口さんのことを「ババア」と言うことがユーモアなのか、それともただの悪口なのか…

松本:

……今のは悪口ですね。

乙武:

アハハ笑

松本:

クスリとも誰もしてないですから。

東野:

無理やりもって来てね。

松本:

ハッハッハッハ笑


ワイドナショー画像 古市憲寿の「ババア」発言 松本人志「今のは笑えないから悪口」 2015_01_18

東野:

無理やり陳列して刺すって笑

松本:

でも今ツッコんだことによって笑いになったので、風刺になったんですよね。

古市:

おかげで。

松本:

おかげで笑

古市:

乙武さんのこと例にしようと思ったらちょっと難しいなと思って。

東野:

乙武さんをいじるの?

古市:

いじったらちょっと…

松本:

でもそれは乙武さんの返し次第っていう…ま、山口さんはババアって言われ放題だったですけどね。

東野:

黙ってね笑
でもね、乙武さんを(いじらない)っていうのも、逆に言うと「逆差別」ってことにもなるし。

古市:

そうそうそう。

東野:

だから見る角度が違うことによって言い方も違うんですよね。

古市:

セクハラとかもそうですよね。いいと思って言ったけども相手からはそうは思われなかったとか。

松本:

そうですね。

古市:

でも特に今回の場合って宗教が関連してますもんね。

東野:

テロとの戦争だと、フランスの大統領が…

松本:

フランスちょっと引くに引けなくなってる感じが…なんか意地になってきてるから…

東野:

すごい数の人が…もちろん事件はね…

松本:

もちろん。

東野:

悲惨な事件でありますし、それはわかるんですけども。

松本:

でもこんなこと意地になってやることじゃないと思う。もう収まりつかなくなるよ、これしてたら。

東野:

そうですよね。

古市:

しかもテロに対して肯定的な発言をしたコメディアンを逮捕したんですよね。


テロ擁護で裁判連続テロ事件の実行犯の1人への共感を示唆した発言をめぐり、フランスの芸人の身柄を拘束。

松本:

そうそう。それまず言論の自由から矛盾したことをやってしまってる…

東野:

テロをいいもんだと礼賛したりとか…

松本:

それも言論の自由やからね。

東野:

極端に言うとね。それは逮捕する…

松本:

逮捕するくせにみたいなとこも確かにあって。
なんか最初ほどフランスが正義じゃなくなって来てる感じがあるんですよね。

東野:

うーん…そうですよね。


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フランスの風刺のライン

乙武:

フランスのこの風刺って、日本人からするとちょっと行き過ぎだと感じるところが多くって。
例えば2020年の東京オリンピック・パラリンピックの招致が決まった時にも、フランスはこう…日本人が放射能によって手足が3本に増えた力士が相撲を取ってるという風刺画を載せて…


ワイドナショー画像 フランスの東京オリンピックに対する風刺画 放射能で3本の腕や脚になった力士 2015_01_18

フランスの週刊誌2020年東京五輪開催決定について、東京電力福島第一原発での汚染水漏れを関連づけ、腕や脚が3本ある力士などを描いた風刺画を掲載。

乙武:

ま、我々日本人としては面白くない感情を抱いたわけですよね。
でも、あれは彼らにとってはアリと判断するラインで、我々にとってはナシだと判断するというのが、一般的なラインだと思うんですよね。

そういった意味で言うと、今回これもフランス人からすればアリなんだと。
こういうことは、フランス的な風刺としてはこれぐらいは普通だろと考えるのかもしれませんけど。

だったらば、イスラム教徒の方々の、偶像崇拝は禁止しているというその伝統も同じくらい尊重すべきだと思うんですよね。

東野:

そうですよね。




犬塚弁護士も「やりすぎ」

東野:

さ、犬塚弁護士。ちょっと…表現の自由…

犬塚:

先ほどから出ているように、フランスというのは権力に対して風刺を言うというのが、ほとんどジョークの世界で行われていることが多いんですね。


ワイドナショー画像 犬塚浩弁護士 フランスの風刺画は我々のスタンダードには合わない 2015_01_18

犬塚:

反権力・反宗教に対しても、非常に厳しい言い方をするなら、日常的なものであるので、なぜこのジョークをそこまで打たないといけないのかっていうふうなのが彼らの言い分なんですが。

私たちのスタンダードから考えるとやはりちょっと…先ほどのオリンピックの風刺についても政府は抗議しましたけれども。
ちょっと行き過ぎているというところはあると思います。

ただまぁ、ここのみなさんに共通するのは、それに対してあれだけのテロ行為は当然許されないという前提の中で、風刺のあり方を議論しているわけですから。

松本:

収まりをどうつけんのやろかねぇ…

東野:

本当に戦争にならないことを…

松本:

ほんとですよ。

東野:

どんどんどんどん泥沼のようになって行って…




宗教に不熱心になるまで待つ

山口:

宗教絡むと怖いのは、それこそ社会的な常識とか、親子の情愛とか、人間としての良心とか、みんなが大事にしているものの上に神がいるわけですよね。
だから、平気でみんなが大事にしているものを神のためなら踏みにじれるわけですよ。


ワイドナショー画像 山口恵以子 宗教に対して不熱心な時代になるまでテロの解決はない 2015_01_18

山口:

その宗教を信じてない人間から見たら、なんでそんな神信じるの?って思うわけじゃないですか。
だから宗教が絡んできたらちょっとね…ほんとにもう解決策はないんじゃないかなと思うんですよね。

東野:

あぁこれ解決策ない…ですか。それぞれがこう…憎しみ合ってく…

山口:

今ね、キリスト教が割と他の宗教に寛容になったのは、昔に比べて熱心さがなくなってきたんですよね。
だけど、昔みたいに神がすべてみたいに、すごく熱心に宗教を信じている時代は、それこそユダヤ人の迫害があったりとか、十字軍で攻めてきたりとか宗教戦争やったりとかいろいろあったわけですよね。

だからもし解決するとしたらば、イスラムの諸国がもう少し宗教に不熱心になってきた時じゃないと難しいかなと。

東野:

はぁ…なるほどねぇ。




暴力につながるギャグは情けない

松本:

まぁでも、風刺って…ギャグ…

東野:

はいはい。

松本:

ギャグは人を笑わすために存在するはずやのに、そのギャグが発端で暴力とか戦争になっていくっていうのは、ほんとに情けない話ですよね。


ワイドナショー画像 松本人志 ギャグが暴力や戦争の発端になるのは情けない 2015_01_18

東野:

お笑い芸人としては一番つらい…

松本:

一番つらいとこやね。

古市:

松本さんはそういう権力に対する風刺とかってすることあるんですか?

松本:

うーん…どうかなぁ。したい気持ちはけっこう多い方でしょうね。
でもこれに関してはもう、俺なんかが言えるようなレベルの話じゃなくなってきてますよね。

東野:

さ、ちょっとね。静観しつつも…あ、でもパレードあったじゃないですか。各国の首脳が…


パリのデモ行進ドイツ・メルケル首相、イギリス・キャメロン首相ら50ヵ国以上の首脳らを含めた約160万人が集結。

東野:

で、日本の人とかアメリカの大統領も行ってなかったりとか。日本の首相もね、スケジュール的には行けたのに行かなかったっていう。

松本:

なんかグレーな立場な感じになってるね。


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